一昔前は純正のファームウェアを探す場合はTeam MTさんのHuawei Firmware Finder等を利用して、インストールはeRecoveryを騙したりして無理ぐり行っていたのですが、最近ではHisuite Proxyを用いて簡単にHisuiteから純正ファームウェアへの復帰が行えるようになりました。
FastBootさえ起動すれば復元が可能であるため、かなり強力です。
新し目の端末の場合の手順は他サイトに記載があるので、この記事ではP10 Lite(もうすでに発売から4,5年程度経過していると聞いて時の流れを感じています…)を復元します。
注意
- 文鎮化等、端末や母艦に問題が発生した場合でも責任は負えません。自分が何をしているか理解してから手順を実行してください。
- Hisuiteのシステムリカバリを実行する場合、ブートローダーがロックされます。 元々ロック状態であったりこれから改造は一切しないという場合を除き、必ずアンロックコードをお手元にご用意ください。Huaweiは既にアンロックコードの配布を終了しており、非公式なツールにお金を払わない限り再入手は不可能です。
- 絶対にAndroidバージョンをまたがないでください。 例えば、Android8から7にダウングレードする場合にはHuaweiから配布されている中継パッケージが必要です。7から8の場合も、パーティション構成等に大きく変更があるためFastbootからHisuiteのリカバリ機能を使って更新をすることは恐らく想定されていないと思います。なるべく同じバージョンのファームを焼きましょう1。
準備
- WindowsのPC(なるべく実機)
- Hisuite Proxy, Hisuite
- Firm finder
Hisuite Proxyは展開し、Hisuiteはインストールを済ませ使える状態にしておきます。
ROMをダウンロードする
- Hisuite Proxyを起動します。
- Firm finderを開きます。
- 目的のファームの
Filelist
三点リーダーをクリックし、Download ROMを押します。 - ファームウェアのzipファイル一覧が表示されるので、欲しいROMを選択してダウンロードを行います。
- ダウンロードし終えたら、煮るなり焼くなりしましょう。
Tip: 国内版P10 LiteのPhone ModelはWAS-L22Jです。
Hisuiteを用いてフラッシュする
P10 Lite以外の機種の場合、手順が異なる場合があります。特にMIUIバージョンが9以上の場合、公式チュートリアル等別のソースを参考にすることをおすすめします。
- Hisuite Proxyを起動します。
- 以下のような画面が表示されるので、中央右上のSETUPを押し、HiSuiteのパッチ等を行います2。
- HiSuiteの端末一覧を書き換えます。英語が分かる人は公式へ。
%LOCALAPPDATA%/HiSuite/userdata/UpdateDogDev/HiSuiteConfig.xml
を開きます。China
とDefault
のREGION
内にそれぞれPhone
要素があり、rule
が羅列されているので、自分の端末をそれぞれのリストに追加します。
例(P10 Lite):
1
<rule type="WAS-L22J" cnName="HUAWEI P10 Lite (WAS-LX2J)" enName="WAS-LX2J" option="" ></rule>
- 保存してエディタを終了します。
- Old Firmwareにチェックを入れ、PackagesのCUST PKGとPreloaded PKGからチェックを外します。(外しても、日本版CUSTとPublic dataは自動でフラッシュされます。)
- Firm Finderを開き、目的のファームの
Add ROM
をクリックすると、Hisuite ProxyのBase PKG
に必要な内容がコピーされます。(CUSTとPreloadの内容は無視されるのでそのままで構いません。) - スマホをFastBootで起動し、PCに接続します。
- HiSuiteを起動し、システムリカバリを実行します。
- 手順に従ってシステムリカバリを開始すると、
- スマホ側に
entering rescue mode...
(うろ覚え)のような文字が追記され、Rescueモードに入ります。 - HiSuite側は当該ファームのダウンロードを開始するため、Proxy側の
Debug
項目にログが出力されます。(ここで、Public dataやCUSTも一緒にダウンロードしていることがわかります。) - ダウンロードが完了すると、まずはファームを焼くためにリカバリーのフラッシュが行われます。その後、リカバリーを通してファームウェア全体のフラッシュが行われます。
- スマホ側に
- 全手順が完了すると、再び再起動が行われEMUIが起動します。
最後に
Hisuite Proxyは善意の第三者(私ではありません)が開発した無償のOSSです。是非Donateしてあげてください。